奈良の近代建築(旧JR奈良駅舎、旧奈良国立博物館本館、奈良ホテル)
奈良の近代建築(旧JR奈良駅舎、旧奈良国立博物館本館、奈良ホテル)
奈良には誰もが知っている古社寺の建築の狭間に、文化的価値の高い近代建築が建っていることは余り知られていません。
奈良公園を中心に、重要文化財や登 録文化財に指定されている「近代建築めぐり」コースをご紹介します。一味違った奈良をぜひ探訪されてはいかがでしょうか。
コース番号 | 01-F00 |
所要時間 | 約2.5時間 |
歩行距離 | 3.5km |
対象期間 | 年中 |
利用交通機関 |
コースは一例です。
ご希望に沿って自由に設定できます。
現在、コロナ感染拡大防止のため、奈良女子大学構内、および日本聖公会奈良基督協会内には立ち入ることができません。
このコースの概要
みどころ
奈良市総合案内所(旧JR奈良駅舎)
一見すると古社寺を思わせるのは、屋根の上に相輪がたっていて、軒の部分も寺社風になっているからでしょう。一方、壁・窓・柱などの造りは、19世紀ヨーロッパ風です。新駅舎建設に伴う保存運動が実り、従来あった場所から少し移動して保存されました。(竣工;昭和9年、鉄筋コンクリート造り、屋根は木造)
奈良仏像館(旧奈良国立博物館本館)(重要文化財)
煉瓦を複雑に組んだ厚い壁そのものが建物を支えていて、正面の柱・窓などは装飾としてデザインされています。柱は、上から柱頭・柱身・柱台の三つの部分から成り、いずれも華麗な印象を与えています。窓や壁にもそれぞれ見事な彫刻や装飾が施されています。(竣工;明治27年、煉瓦造)
奈良ホテル
奈良を代表するホテルで、荒池をはさんで北側からホテルの外観が全貌できます。設計は明治の代表的建築家の辰野金吾氏です。内部のデコレーションは和風の取り入れられ、今でも風格を保っています。(竣工;明治42年、木造)
参考コース順路(一例です。)
場所 | 内容 | |
---|---|---|
奈良市総合案内所(旧JR奈良駅舎) | 出発場所 | |
徒歩移動 | 15分 | |
南都銀行本店(登録文化財) | 10分 | |
日本聖公会奈良基督協会(登録文化財) | 10分 | |
徒歩移動 | 15分 | |
奈良女子大学記念館(重要文化財) | 10分 | |
徒歩移動 | 25分 | |
奈良仏像館(旧奈良国立博物館本館)(重要文化財) | 10分 | |
徒歩移動 | 5分 | |
仏教美術資料研究センター(重要文化財) | 10分 | |
徒歩移動 | 15分 | |
奈良ホテル | 10分 | |
奈良ホテルバス停 | 終了場所 | |
← 左のマークの場所では、トイレをご利用いただけます。 |
いち押しポイント
◎ 奈良女子大学記念館
旧奈良女子師範学校本館として建てられたもので、二階の講堂は400人がゆったり座れる広さがありますが、柱は一本もありません。講堂正面中央の櫛形破風は、ギリシャの神殿を連想させ、また天井には半円形の天窓などさまざまな装飾が施されています。実は、この場所はもと奈良奉行所のあったところで、徳川家康が全国を統一、奈良を直轄地とし、これを統治する役所として慶長18年(1613)設置された場所です。
現在、コロナ感染拡大防止のため、奈良女子大学構内には立ち入ることができません。
耳寄り情報
◎ 旧奈良少年刑務所
明治41年に完成し、明治に造られた五監獄の中で唯一、当時の姿を残してきた「奈良少年刑務所」が建物の老朽化と耐震面から平成29年3月閉鎖されました。この赤煉瓦造りの建物は、奈良を代表する近代洋風建築として有名で、重要文化財指定もされました。保存運動もあり、現在の外観はそのままにして、ホテルや付帯施設として再生されます。(夕日観音から徒歩5分)
◎ 「登録文化財」とは1996年の法改正で生まれた制度で、次のようなものが該当します。
- 築50年を経過しているもので、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」
- 「造形の規範となっているもの」「再現することが容易でないもの」
のいずれかの基準をみたしているものです。