高畑文学散歩(白毫寺、新薬師寺、志賀直哉旧居)

高畑文学散歩(白毫寺、新薬師寺、志賀直哉旧居)

「花の寺」ともいわれる白毫寺(びゃくごうじ)境内から奈良市内を一望し、歴史の道を辿って、
我が国最古最大の十二神将像が並ぶ新薬師寺(しんやくしじ)を訪れ、
文豪志賀直哉旧居に至る散策コースです。

コース番号03-A00
所要時間約3時間
歩行距離3.0km
対象期間年中
利用交通機関 バス

コースは一例です。
ご希望に沿って自由に設定できます。

■拝観料・入館料
白毫寺:500円 写真美術館:500円
新薬師寺:600円 志賀直哉旧居:350円

このコースの概要

みどころ
白毫寺

「白毫寺」バス停を少し行き過ぎると、「白毫寺近道」と書かれた看板が見えます。それに沿って坂道を登っていくと、約10分で到着です。お寺の入り口に通じる古くて長い石段の両脇には、白や紅紫色の萩の花が覆いかぶさるように咲き乱れ、寂然としたお寺の雰囲気を増幅しているように見えます。境内には、白毫寺ゆかりの志貴皇子が亡くなったのを悲しんだ笠朝臣金村が詠んだ万葉歌碑「高円の 野辺の秋萩 いたずらに 咲きか散るらむ 見る人なしに」があり、このあたりは古代から萩が多く自生していたところであることをうかがわせます。境内から眼下に広がる美しい景色を眺めながら息を整え、宝蔵に収められている閻魔さまや、他の十王の彩色像とご対面しましょう。 (お問い合わせ先:白毫寺 TEL:0742-26-3392)

新薬師寺

天平19(747)年、聖武天皇の眼病回復を祈願して光明皇后が建立されたお寺です。「新」とは「新しい」ではなく、仏の霊験が「あらたかな」の意味です。南門を入ると、天平が香る入母屋造りの建物、本堂が目に入ります。本堂の円形の土壇中央には、目を大きく開いた薬師如来坐像(国宝)が安置されており、本尊を護持するように武器を振り上げ、髪を振り乱し、威嚇するように十二神将像(うち11体が国宝)が、円陣を組んでいます。ゆっくりご拝観ください。
(お問い合わせ:新薬師寺 TEL:0742-22-3736)

志賀直哉旧居

大正14年、山科から奈良市幸町に居を移し、昭和4年自ら設計にかかわり建築。鎌倉に移る昭和13年まで家族とともに過ごした。代表作「暗夜行路」を完成させている。数奇屋風造りで、洋風のサンルーム・娯楽室や独立した夫人の間もあり、家族を大切にした生活様式が垣間みられる。彼を慕って谷崎潤一郎、武者小路実篤、小林秀雄、尾崎一雄、小林多喜二などの文人や画人が訪れ、「高畑サロン」が生まれたという。今は学校法人 奈良学園のセミナーハウスとして利用されています。
(お問合せ:0742-26-6490)

参考コース順路(一例です。)

場所内容
JR・近鉄奈良駅出発場所
 バス移動「白毫寺」で下車 11~14分
 徒歩移動15分
白毫寺20分
 徒歩移動10分
宅春日(やけかすが)神社館8分
能登川の石仏群2分
 徒歩移動15分
奈良市写真美術館20分
 徒歩移動2分
鏡神社
新薬師寺30分
 徒歩移動10分
志賀直哉旧居20分
 徒歩移動10分
破石町(わりいしちょう)バス停 又は市内循環バス内回り
春日大社バス停法隆寺行きまたは六条山行き
 バス移動破石町バス停から約6分 / 春日大社バス停から約8分
JR・近鉄奈良駅終了場所
 ← 左のマークの場所では、トイレをご利用いただけます。

いち押しポイント

◎ 覚禅房胤栄と一門の墓所

白毫寺近道入り口近くに、宝蔵院流十文字槍大祖、覚禅房胤栄と一門の墓所があります。突けば槍,はらえば薙刀、引けば鎌といわれるこの十文字槍を興福寺の僧、胤栄は猿沢の池に浮かぶ三日月を槍で突き、鎌術を工夫したといわれる。胤栄没後 400年を記念して、同槍術を現代に伝える保存会のメンバーにより2007年8月に整備されました。宮本武蔵と闘う胤栄の姿など想像しながら歩くと程なく白毫寺に到着します。


◎ 白毫寺

白毫寺は、天智天皇の第七皇子「志貴皇子」の山荘を、霊亀元年(715)お寺にしたのに始まると伝えられているほど歴史のあるお寺です。また、敬老の日には志貴皇子を偲ぶ「志貴親王御忌」が行われます。お寺は西に開けた高台にありますので、境内から奈良市街や二上山・葛城山まで180度で見渡せ、すばらしい眺望が楽しめます。

耳寄り情報

白毫寺の境内には、十王地蔵と呼ばれる石仏があります。十王とは冥界の支配者で、亡者の生前の悪業と善業を調べ地獄行きか、極楽行きかを決める仏さまです。
「うそをつくと閻魔さまに舌を抜かれる」といわれる「閻魔王」は、十王のうちの一人で、「三途の川」を渡ったところで待ちかまえています。閻魔さまは、なにか怖い感じがしますが、実は「地蔵菩薩」の化身で、頼りになる勧善懲悪の王様なのです。
また、奈良では、お彼岸を過ぎてもまだ寒いとき「暑さ寒さも彼岸まで、まだあるわいな一切経」と言います。白毫寺の別名一切経寺で一切経法要が4月8日に行われますが、これが終わらないと本格的春が来ないという意です。温暖化が続くなか、こんなユーモラスな言葉が生き残れるでしょうか。